裁判上の和解による
工場アスベスト(石綿)被害の賠償金請求のおすすめ
2019年4月
東京都渋谷区代々木1丁目42番4号
電 話03-3379-5211
FAX03-3379-2840
代々木総合法律事務所
弁護士 鷲見賢一郎
弁護士 林 治
弁護士 藤原 朋弘
厚生労働省は、現在、後記の「アスベスト(石綿)訴訟の和解手続について 石綿(アスベスト)工場の元労働者やその遺族の方々に対する和解手続による賠償金のお支払いについて(抜粋)」を発表しています。
〔550万円から1300万円の賠償金〕
この発表によると、昭和33年5月26日から昭和46年4月28日までの間に、局所排気装置を設置すべきアスベスト(石綿)工場で働き、石綿肺、肺がん、中皮腫、びまん性胸膜肥厚などになられた方は、裁判を起こし、各要件を満たしていることを証明すれば、裁判上の和解で、国に、550万円から1300万円の賠償金を支払わせることができます。
〔家具工場などでも賠償金請求は可能〕
厚生労働省は、「石綿(アスベスト)工場とは『石綿紡織工場、石綿含有建材・製品の製造工場』のこと」としていますが、他方、「石綿(アスベスト)工場以外の従業員であった場合でも要件を満たす場合があります。」としています。私たちは、アスベスト(石綿)を入れていた麻袋をほどいて椅子の下張りにする作業をしていた家具工場の元従業員の方についても、裁判上の和解で賠償金を支払わせています。
厚生労働省は、石綿(アスベスト)工場の元労働者やその遺族の方々に対して、「アスベスト(石綿)訴訟の和解手続で賠償金を支払う」旨の通知をしています。私たちは、厚生労働省からの通知がない方についても、裁判上の和解で賠償金を支払わせています。
〔積極的にご相談を〕
以上のとおりですので、アスベスト(石綿)に関係する工場で働き、石綿肺、肺がん、中皮腫、びまん性胸膜肥厚などになられた方は、是非ご相談下さい。ご相談料は無料です。アスベスト(石綿)被害救済のために、多くの方と力をあわせたいと思います。
厚生労働省のアスベスト(石綿)訴訟の和解手続について
石綿(アスベスト)工場の元労働者やその遺族の方々に対する和解手続による賠償金のお支払いについて(抜粋)
2 アスベスト訴訟における和解について
最高裁判決(大阪泉南アスベスト訴訟の平成26年10月9日判決)に照らして、石綿(アスベスト)工場の元労働者やその遺族の方々が、国に対して訴訟を提起し、一定の要件を満たすことが確認された場合には、国は、訴訟の中で和解手続を進め、損害賠償金をお支払いします。
( 1 )和解の要件は、次のとおりです。
ア 昭和 33 年 5 月 26 日から昭和 46 年 4 月 28 日までの間に、局所排気装置を設置すべき石綿工場内において、石綿粉じんにばく露する作業に従事したこと。
※労災保険や石綿健康被害救済法による給付を受けている方であっても、上記期間内に労働者として石綿粉じんにばく露する作業に従事した方は対象となります。
イ その結果、石綿による一定の健康被害を被ったこと。
※「石綿による一定の健康被害」とは、石綿肺、肺がん、中皮腫、びまん性胸膜肥厚などをいいます。
ウ 提訴の時期が損害賠償請求権の期間内であること。
※期間内であるかどうかについては、法律の専門家である弁護士などにお聞きください。
( 2 )訴訟においては、前記( 1 )の要件を満たすことについて、日本年金機構発行の「被保険者記録照会回答票」、都道府県労働局長発行の「じん肺管理区分決定通知書」、労働基準監督署長発行の「労災保険給付支給決定通知書」、医師の発行する「診断書」などの証拠によって確認できることを条件として、和解手続を進めることになります。
3 和解によりお支払いする賠償金について
和解により国がお支払いする賠償金の額は、下記のとおりです 。
①じん肺管理区分の管理2で合併症がない場合 | 550万円 | ⑤管理4、肺がん、中皮腫、びまん性胸膜肥厚の場合 | 1150万円 |
②管理2で合併症がある場合 | 700万円 | ⑥石綿肺(管理2・3で合併症なし)による死亡の場合 | 1200万円 |
③管理3で合併症がない場合 | 800万円 | ⑦石綿肺(管理2・3で合併症あり又は管理4)肺がん、中皮腫、びまん性胸膜肥厚による死亡の場合 | 1300万円 |
④管理3で合併症がある場合 | 950万円 |
※泉南アスベスト第2陣訴訟で示された疾患の種類等に応じた損害の算定の基礎となる金額に、国が責任を負うべき2分の1を乗じた額。ただし、遅延損害金と弁護士費用は別途。